トップ(T) > さぁいっちょ ぶぁーっといきましょー!   前へ 次へ       ■コラム一覧■ 

関節スイッチ

 アテトーゼ型の人にとっては、あるあるネタなんですが、我々の体には“関節スイッチ”というものがあります。
 ちょっと説明しにくいんですけどね。。簡単に言うと、ある動作をするためには、ある動作をしないとできなかったりするというもので、例えば腕を伸ばそうと思ったら、一度曲げ切らないと伸びなかったり、首を前に倒そうと思ったら軽く左右に振らないとできなかったりします。例えるなら・・・そう!座椅子のリクライニングが近いです! 座椅子って一度曲げると途中では伸ばせなくて、最後まで曲げると伸ばせますよね。あんな感じです。
 ただ、全部の人にそのスイッチがあるわけではないし、スイッチの入りかたも違います。また、その時の体調や気分によっても変わってきます。私の場合で言うと、右腕がそうです。あ、あと顔ね! 右腕は一度力が入ってしまうと、自分のタイミングでしか伸びません。うーん、説明しづらいなぁ、、結構微妙なんですよね。その時によって、全部曲げ切らないとダメな時もあれば、ちょっと曲げるだけで良い時もあります。また、他の部分を動かすと力が抜ける場合もあります。そんなときに、他の人が無理に伸ばそうもんなら大変、ますます力が入って固くなり余計に伸びなくなってしまいます。逆に、自分ではどうしても伸ばせないときに他の人にちょっと触ってもらうことで、力が抜けて腕が伸びる時もあるんです。 ね! ウザいでしょ!(笑)

 問題は顔ですよ! これがまた厄介で!!
 笑った顔が戻らなかったり、本当に楽しくないと笑えなかったり、突然、力が入ってクシャおじさんみたいな顔になったり・・・(古いなー)。特に口がコントロールしづらいんです。一番困るのは、電動車いすで外を走っていて、ちょっと思い出し笑いをしたときに、そのまま戻らないときです。気持ちの中ではもう笑いは収まっているのに、顔はまだ笑っているんです。。なんかヘンな感じですよ! そんなときのスイッチは、口を一度大きくあけることです。そうすると、たいていの場合スッと普通の顔に戻すことができます。ただ、思い出し笑いなんて長くても1・2秒でしょ、、それが10秒も20秒も笑ってるなんて、あり得ないですよね! しかも電動で走りながら・・・。明らかに“ヤバいオッサン”です。
 そんな時によくやるのが、まぶしいフリ・痛いフリ・暑い、寒いのフリです。笑ってる顔を無理に眉間にシワを寄せてシブい顔にします。まぁこれでも、十分違和感はあるのですが・・・。
 また逆に、笑っておいた方が良いような場面なのに、本当に楽しくないと笑えなかったりします。良くも悪くも、大人になると“お付き合い笑い”って人間関係上必要になってきますからね。。せっかくみんなで楽しい雰囲気になっているのに、なんであいつだけ笑ってないんだよ! みたいな話にもなってきます。残念ながら無理に笑うスイッチはないんだなぁ。。

 要は、脳のスイッチなんでしょうね。体がどうのこうのっていうより、脳の神経伝達がうまくないんですね。だって、なにも意識していないときは腕もスッと動くし、笑ってもすぐに戻りますからね。。なんていうんだろうなぁ、、一種の暗示みたいなものなんでしょうね。
 腕が伸びないときに、一度曲げれば伸びるっていう意識(思い込み?)があるから、曲げたくなるんでしょうね。顔もそう、以前、口を大きくあけて戻ったという経験があって、またそれをすればスムーズに口が動くんじゃないかというのが頭のどこかにあるのかもしれません。

 無意識に体が動かせたり、笑ったりできれば苦労はないのですが、“無意識”を意識した時点で“意識”することになるんですよね。。意識しないで無意識になる・・・すごくシンプルなことなのに一番難しいです。


しかし、、脳性マヒ・・・奥が深いなぁ。。
このエントリーをはてなブックマークに追加


上へ   前へ(P)   次へ(N)   一覧へ戻る(B)

Counter