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長いストロー

 前項でペットボトルの話をせてもらいましたが、それに関連して今回はストローの話をさせていただきます。
 500mlのペットボトルが一般に普及し始めたころ、私もよく買って飲んでいたのですが、ひとつ困ったことがありました。ペットボトルに対してストローが短く、途中で放すと中に沈んでしまったのです。当時はまだペットボトル用のストローがなく、ちょうどペットボトルと同じぐらいの長さのものが多かったので、とても飲みにくく、ストローを浮かせた状態で飲んでいました。そのため、中身も最後まで飲むことができなかったり、油断して放すとペットボトルの中に沈んでしまったりするのです。そうなると小指を突っ込んで取り出すんですよ。(笑) 私も含め、全国のストラー(ストロー使用者 ←今作りました。)は『あと5センチ長けりゃなぁ』と思っていたはずです。そんな時!ついに見つけてしまったのです!!

 いつものように某ホームセンターをふらふらと見ているときでした。ふと「そういえばそろそろストローねえな」と思いキッチンコーナーに行ってみると、それまで見たことないやたら長いストローがあったのです。『はっ』と思ってよく見てみると、「ペットボトル」の文字が。あー、やっと出たかー!って思いましたね。負け惜しみではありませんが、実は私も考えていたんですよ。「もう5センチ、ストロー長くすればペットボトル用として売れるかなぁ」って。やっぱ、同じこと考える人はいるんですね。。
 ただ、おそらく福祉目線ではなく女性の発想なんじゃないかと思います。男はまずペットボトルでストローを使おうとは思いませんからね。。(ん?今の“なんたら男子”は欲しかったりするのかな?)女性がペットボトルをラッパ飲みというのはやはり抵抗もあるでしょう、そこで専用のストローという発想になったのかもしれません。それがたまたま私たちにも使いやすかったということです。

 話は飛びますが、私は昔から“座高、高いねー!”だの“首長いな~”だのと言われていました。飲み物を飲むときでも、机にコップを置いてそこからストローで飲むので、机の高さにもよりますが若干、かがんで飲むことが多かったのです。だから、初めて長いストローを使ったときは便利というよりは“あー楽だな―“と思った覚えがあります。たかが数センチなんですけどね、、それまで慣れてた感覚とずいぶん違って新鮮でした。
 そしてなにより、ペットボトルのめちゃめちゃ飲みやすいこと!! それまでは口でストローをくわえて、ペットボトルにさして飲める所まで一気に飲むという感じだったのですが、ストローが長いと途中で放しても沈まないので“気を抜いて”飲めるようになりました。今では家にあるストローは100%これです。

 ストローといえば、子どもの頃はちょっと変わったものをストローにしていました。なんと、『金魚のブクブクのホース』です。私がストローを使い始めたのって、確か4、5才で療育園に入ってからだったと思うのですが(詳しくは障害状況を参照)、当時、今みたいな曲がるストローってあったのかなぁ、、とにかくそこではブクブクのホースがストローとして使われていました。まぁ、たしかにそこそこ丈夫で強く噛んでも潰れないし、使い勝手は良かったんでしょうけどね。おのずと家に帰ってきてからも、しばらくはそのストローでした。
 ブクブクのホースってどこで買うと思います? まぁ、今でこそホームセンターやペットショップも増えましたが昔はそういう店もあまり無かったので、ちょうど家のそばにあった金物屋で買っていました。それも“メーター買い”です。それを持って帰って30センチぐらいに切って使うんです。最初に使ったストローがそれだったので、当時は私もまったく普通に使っていたのですが、今思えばちょっと異様ですよね!(笑) ただ、長さはいくらでも調節できるのでペットボトルでも問題なく使えたんですよね。ま、便利っちゃ便利なのかなぁ?
 そういえば、子どもの頃は親父と弟とよく河原に釣りに行ったのですが、ある日、、あれ何だろ、ハヤかなぁ、、珍しく小さい魚が釣れて(大体いつも何も釣れずに帰るんですよね。。でも、釣れなくても十分楽しかったのを覚えています。)、しばらく水槽で飼っていたことがありました。そのときにやっと“本来の使い方”をした記憶があります。

  やばい、ちょっといい話になってる。。

 今のような曲がるストローは、たしか中学、高校のころから使い始めたと思います。正直、もう25年以上も前のことなので、その時のことは覚えていませんが材質も感触も違うので恐らく慣れるまでは違和感はあったでしょうね。それに、おふくろもいちいち金物屋に買いに行くのがうっとおしくなったかも知れません。店の人も、年に何度もブクブクのホースを買いに来るなんて、不思議に思ったでしょうからね。「この人、何匹金魚飼ってるんだ!?」って・・・。おふくろも、ある日突然『金魚のホースって!』って思ったのかもしれません。(笑)

 ストローなんていうのは健常者であれば本来、必ずしも必要なものではありません。それでも進化するということは、道具としての価値を見出されている証拠でもあります。誰かが使いやすいように改良されたものが、まったく関係のない誰かにも使いやすいものになることもあります。たった数センチ長くなっただけで、我々が劇的に使いやすくなったのも偶然かも知れませんが、なんとなく繋がっているような気がして、ちょっとうれしくもなります。



関連項目
プラスチックストローを廃止!?

実際に紙ストロ-を使ってみました。

“マイストロー”を使ってみました。

紙パック飲料に付いている伸縮するストローや500mlペットボトルでも使える長いストロー

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