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情報の選択と取捨

 このあいだ、テレビの情報番組でこんな話題を耳にして「あ、なるほどな。」と思ったことがありました。
 「最近では、『情報』の得方が変わってきている。」ということです。例えばニュースにしても、昔はテレビやラジオ、新聞などが主な情報源でした。しかし、今はそれに加えてネットからもニュースを見ることができます。様ざまなメディアから情報を得られることは、多様性があって良いことのように思います。 一見・・・。

 確かに情報を得る[手段]としては多様になったかもしれません。問題は[情報の幅・種類]です。
 従来からあるテレビやラジオ、新聞のニュースというのは、まぁ変な話“ダダ流し”じゃないですか。自分にとって必要な情報も、そうでない情報もいっしょくたに流れてきます。この“ダダ流し”というのが実は大事でね。。例えばテレビのニュース番組で「あ、このニュース興味ないな」と思って流して聞いていても、知らない間に(興味を持って)見てしまったり、興味があるニュースでも、解説によっては「こういう見方もあるのか」と思うこともあります。まぁね、、本当に興味のないことも多々ありますが、“不意に得た情報”から気付くこともあったりして、そこから知識も、ものの見方も幅が広がることがありますよね。
 要は、そういった“ダダ流し”の情報から自分で取捨したり、価値を見出すことができるのが大事だと思うのです。食べ物だってそうでしょ。自分では食わず嫌いのものでも、友達や先輩に勧められて食べてみると、おいしくてハマるっていう・・・。あれと同じです。(同じなのか?笑)

 それに加えて今は、ネットでもニュースを見ることができます。ただ、従来のメディアと大きく違うところは、自分の読みたい記事を選択できるというところです。これね、、一見良さそうに思えるでしょ?実はここが問題なんですよね。。
 確かに、それぞれの記事がインデックス化されていて、読みたい記事をサッと探すことができるのは便利です。しかしその反面、この形式だと興味のある記事しか読まなくなってしまう可能性もあります。私もそうなんですが、どうしてもインデックスのタイトルで選んでしまいますよね! 自分の興味のない記事をわざわざクリック(タップ)しようなんて、なかなか思わないことです。さらに[社会]や[経済]、[芸能]などとカテゴライズされていると、余計に興味もピンポイント化されていきます。そうなるとどうしても得る情報に偏りが出てしまいますよね。。そこがねぇ、、いかにも『デジタル』って感じですよね。(笑)余計なノイズを排除するというかね。。無駄なものは削るというかね。。デジタルなメディアを使う側もデジタル的になってしまっているような気がするのです。

 ただ、それはニュースだけでなくネットの構造そのものにも言えることで、基本的にネットは欲しい情報を得るために使います。というより特に最近は、目的もなく適当にクリックしていると、知らない間に怪しげなサイトに入ってしまったりして危険な目に遭う場合もあるので、どうしても必要最低限になってしまうのかもしれませんね。(そう言えば「ネットサーフィン」なんて言葉も死語になりましたね!)
 よく、最近の人は自分にとって必要のない情報は入れないって言いますが、初めからネットの感覚で育った人にはそれが至極当然なことなんでしょうね。それを[合理的]という人もいますが、私は、それは合理的とはちょっと違うと思います。合理的というのは、数ある選択肢や手段の中から最適なものを選ぶことだと思うのです。初めから様ざまな情報を選択肢として持っていなければ、合理的な判断も出来ないと思うんですよね。。
 自分の欲しい情報ばかり見ていると、考えが一方に凝り固まってしまいます。そしてさらに、同じ意見を拾い集めたくなってしまいます。欲しい情報や意見とちょっとでも違う内容だったりすると、それはもう“誤り”として排除してしまうんでしょうね。。だからSNSだって炎上するんですよ!(笑)
 ひと昔前は「これからはネットが多様性を生む」なんて言っていましたが、何だか逆にどんどん多様性が無くなっていっているようで、ある種、窮屈さを感じてしまいます。意見が違って受け入れられないのは、まぁ仕方ないとしても、そこで正面からぶつかるのではなく「へぇー、そうなんだ」って流すことも大事だと思うのです。たくさん人がいれば、意見が合わないことも当然ありますよね。

 自分なりの考えや意見を持つためにも、まずはとにかく様ざまな情報に触れて、そこから取捨・選択しないといけないなと改めて思うのでした。
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