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新しい生活様式

 新型ウィルスが蔓延する中、最近では『新しい生活様式』という言葉がしきりに言われています。
 その内容というのが何ともしょっぱいというかね、、(笑)「これはどうなのよ」というものばかりです。
 例えば「会話は2m以上離れて、なるべく手短かに」とか「食事は向かい合わずに並んで、会話はせず」とか「買い物はなるべく通販で」とか、どれも聞いていて楽しくないものばかりです。(笑)
 まぁねぇ、、ウィルスの感染を抑えるためにはこのやり方がベターなんでしょうけど、何というか味気ないですよね。(笑)

 話はずれますが、今回の一件でテレビのバラエティがめちゃくちゃつまらなくなりました。(笑)
 いわゆる「ソーシャルディスタンス」というやつで、出演者同士がえらく離れていたり、モニター越しだったりで、やり取りがめちゃくちゃぎこちないんですよね。見ているほうも冷めると言うか、、何か無理くり頑張っているようでツラくなってきます。(笑)
 これも「新しいバラエティ様式」なんでしょうか。私としては、早く元の“ディスタンス”に戻ってほしいと思うばかりです。

 上の例を見てみると、共通しているのは要は「人と接触するな」ということですよね。いやー、、つくづく思うのは「若い頃じゃなくて良かったな」ということです。(笑)思い返すと、若い頃なんて上の例とすべて真逆のことをしていましたからね!(笑)会話は友達とくっついてグダグダ2時間も3時間もしゃべってたし(いわゆる“コンビニ前でたむろする”ってやつです。笑)、食事は、仕事帰りにたまに好きなコをファミレスに誘ってね、向かい合って食べながら一生懸命“肝心な話”をしようとしてるのに、無言でスカされたりね。。(笑)買い物も若い頃は通販なんて無かったですからね。。友達とワイワイ言いながらレコード屋([レコード屋]だよ!笑)で「この曲が良いんだよ」って自慢し合ったりしてましたね。。
 これが全部だめなんでしょ。。今だったら「まぁ、しょうがないか」と思えますけど、あの頃にこんなこと言われたら、ちょっと耐えられなかったでしょうね。(笑)ニュースでもよく「若者が自粛を守らない」なんて言っていますが、もちろんダメはダメですが守りたくない理屈もちょっとわかります。(笑)
 10代20代は(物理的にも精神的にも)いろんな人と触れあって人間が出来ていく時期ですからね。いくらリモートやSNSを使ったとしても、それだけじゃ何かが欠けてしまうような気がしてなりません。

 そして、この件でどうしても出てくる話が[無人化]ということです。
 無人店舗、無人販売、無人配達、非対面に非接触・・・。いやぁ、、どれも我々障害者には厳しい言葉です。以前も書きましたが、我々障害者は一人で出かけると、その先で誰かに助けてもらうことが多くあります。買い物に行けば、その店にいる店員さんやお客さん、電車やバスを使うときは駅員さんや運転手さんに助けてもらう場面が多くあります。それが無人になるとなると、一人で出かけることもままならなくなるかもしれません。実際、私の家のまわりには畑がいっぱいあって、野菜の無人販売があったりするのですが、一人で歩いている時に「お!安っ、」と思っても買うことができません。
 また、私はよく通販で宅配便を使うのですが、その配達員さんにも荷物を部屋に入れてもらったりして助けてもらっています。最近では無人配達の実験も始まったようで、ドローンや無人運転のカートで荷物を届けるそうです。元々は人手不足の解消のためだったようですが、『新しい生活様式』という流れの中でますます実用化が進むかもしれません。
 そうなると、俺、どうすんの!?荷物受け取れないよ!(笑)新型ウィルスも恐怖ですが、この[無人化]もある種、恐怖です。(笑)

 ただ、もちろんこの『新しい生活様式』にはメリットもあります。
 たしかにコストや効率性で考えれば良い面もありますし、新たな価値観も生まれてきつつあります。
 たとえばリモートワークやリモート学習が普及すれば、どこか決まった場所に通う必要もないので移動の時間も無くなります。人が集まる必要が無くなれば、大きなオフィスビルも学校も要らなくなります。その結果、スペースもエネルギーや資源も(人間関係すらも??笑)省けることになります。日本は土地も狭いし、資源も乏しいですからね。。それらの問題解決にはなるかもしれません。
 また、通信とVRの技術がさらに発達すれば、VRを使って家にいながら旅行気分を味わえたり、エンターテインメントを楽しめるようになるかもしれません。特に外に出かけるのがなかなか難しい人にとっては、ありがたいかもしれません。

 でもさぁ、、正直、そんなもんつまらないですよね!(笑)仮にこの状況が一時的なものだとしても、絶対にいくつかの事柄はその後も残るでしょうし、それ以前にこの状況がいつ収束するのかもわかりません。特にリモートワークなどは効率が良ければ、おのずとこちらにシフトしていくはずです。いやーぁ、、つまんないでしょ!(笑)仕事帰りの一杯も無いんだよ!仕事帰りの(ちょっと“気になる人”に)「ちょっとメシでもどう?」も無いんだよ!(笑)この楽しみを味わえないなんて・・・もったいねぇなぁと思ってしまいます。「ちょっとメシでもどう?」を切り出すタイミングの駆け引きが面白いのに。。(おっさんになったせいか、今はもうそういうのは面倒くさくなってしまいました。。笑)まぁ、今の若い人は、そもそもがそういうことに興味がないのかもしれませんけどね。
 そうしてどんどん効率性や安全性を重視していくと、ますます息苦しい社会になっていくんでしょうね。ビジネスなので効率性は必要なのですが、それが他の場面にまで影響してしまう可能性もあります。効率性を求めて無駄を省くのは良い事なのですが、それが行き過ぎると無駄が許されない・余白も全部切り落とされてしまうような、そんな社会になっていきそうでちょっとゾッとします。(笑)
 それは一見、理路整然としていて分かりやすいのかもしれませんが、その分、無味乾燥でとても窮屈ですよね。

 ひと昔前から「これからは『個』の時代」と言われてきました。これはまぁ、主に内面のことを言っているのですが、これからは『新しい生活様式』によって良くも悪くも、そして否応もなく、実生活で『個』の時代がやって来るかもしれません。何でも一人で用事が済めば、余計に他者との付き合いも面倒に感じるかもしれないし、逆に余計に他者との繋がりを求めるようになるかもしれません。
 個人として生活することが増える中で、より他者との距離感が重要になってきます。肉体的にはやむを得ず距離を置いても、気持ちは『密』でいたいと思うのです。

 と、オッチャンはグチってみるのでした。早くバラエティのひな壇復活してくれよー。(笑)


関連項目
無人店舗
ソーシャルディスタンス
リモート×××
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