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ぶらり途中下車の旅

 『おやおや阿藤さん、また寄り道ですか。』でおなじみのあの番組ですね。私も、”早く起きられたとき”は見ています。しかしながら、私が電車に乗るときにはこの”途中下車”ができないのです。
 私が一人で電車に乗り始めたころ(15・6年くらい前でしょうか)というのは、もちろん駅員の方は手伝ってくれるものの、基本的には自分で乗り降りしていました。ですので多少の苦労はあっても、自分が降りたいと思えば目的の駅以外でも降りることができました。ですが現在は、電車の乗降時に駅員の方が必ず付いてスロープ板を敷いてくれます。また、切符を買って改札を通る際に降りる駅を聞かれ、あらかじめその駅に連絡を入れてくれます。そしてありがたいことに降りる駅に着くと、すでにスロープ板を持った駅員の方が待っていてくれます。確かに安全でスムーズに乗り降りでき、とてもありがたいのですが反面、以前のように途中でヒョイと降りることができなくなってしまいました。いや、降りちゃってもいいのですが、そうすると降りるべきはずの駅員の方に迷惑をかけてしまうので実際にはそんな気にはならないでしょう。まぁでも、途中で降りてしまった場合でも駅員の方に事情を説明して目的の駅に連絡してもらえばいいのですが、私のように言語障害があってはそう簡単に事は進みません。これら諸々の事情を考えると”ぶらり途中下車の旅”というのは、車いすに乗っている者にはよほど無邪気か無神経でない限りできないですね。

 ところで、私が住んでいる地域には多摩モノレールが走っているのですが、こちらのバリアフリーシステムはちょっとユニークです。なんと乗り降りの際に駅員の方の付き添いがないにもかかわらず、とてもスムーズなのです。もちろんそれには秘密があって、2両目(だったよな?)の出入り口には初めからホームにスロープが付いているのです。これなら車椅子でも歩行者でも自由に乗り降りできるので、ある意味”ユニバーサル”です。また、このシステムならどこで降りようが駅員の方にも迷惑はかかりません。もちろん、駅側にとっては人件費削減の一環だとは思いますが、これが良いんですよ! なんて言うんだろな、良い意味で”ほったらかし”っていうんですか!? ”ここまでやってやったんだから、あとはあんたらでやんなさい”っていうスタンスは私は好きですね。第一、そのほうが気が楽でしょ! 忙しい(かも知れない)駅員の方にわざわざお願いして手伝ってもらうのと、できることは自分でやってしまうのとでは、後者のほうが互いに精神的負担が少なくてすむと思うのです。この方法であれば、それこそ”ぶらり途中下車の旅”も楽にできてしまいます。
 ただ、この方法は電車だとちょっと厳しいかもしれませんね。電車の場合は乗ってる人の数(重量)によって車体の高さも違ってきますし、ホームも直線ではなく曲線でホームと電車の間にかなりのすき間があいてしまう場合があるので、固定でのスロープの設置はかえって邪魔になってしまうかもしれません。それなら、例えばドアが開くと同時に電車自体からスロープがピョコンと出てくるとかね。。そうすれば健常者でもホームと電車のすき間に落ちるなんてハズカシイ事件(事故??)も無くなるでしょうし、段差の歩行が困難な人も楽に乗り降りできるかもしれません。もちろん、全車両になんて贅沢は言いません!先頭の一両だけで十分です。

 このように、ちょっとした発想の転換でバリアフリーをユニバーサルデザインに変えられることがあると思うのです。今あるシステムにデンとあぐらをかくのではなく、一度全部をナシにして最初から考えてみると新たな物の見方ができるかもしれません。まぁ、口で言うほど話は簡単ではないのですが・・・。ただ、その物の意識が高まる分、便利になる人は多いはずです。
 でも・・・私は方向音痴だから、ぶらり途中下車下は良いもの、降りた駅に戻れない可能性が大なんだよなぁ。
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