穴形爪やすり説明書

【名称】   穴形爪やすり

【従来の爪やすり】
 従来の爪やすりは図3に示しますように、平面的な板状のものに突起を設けてその突起を研削刃とし、その突起により爪を研削しております。

【従来の爪やすりの問題点】
   爪の形状は円弧状の上に湾曲しているので、従来の平面的な爪やすりでは1点での接触となり、爪の先端全域を均等に研削するには、爪の先端の形状に合わせてやすりの左右往復動作を前後左右に傾きを変え、爪の先端全域が均等になるように注意を払いながら慎重に何度も行なう必要があります。

【問題点を解決するための手段】
 以上の問題点を解決する為に、穴形爪やすりは、爪やすりとしての機能を果たす為のある程度の硬さを有する材質の本体構成部材に数種類の穴を設け、その穴の縁の角を研削刃として使用します。図5は、本発明の研削の原理の説明図です。研削刃が内円なので円弧状の爪の先端部に乗せると自然に爪の先端部は内円の中心に寄って来て内円の2点に接触します。軽く内円を爪の先端部に押し付けて揺動させれば、特別に意識する事無く簡単に爪の先端形状に沿わせる事ができます。又、完全に爪の先端形状に沿って研削できるので、1・2回の往復だけで爪の先端部全域を研削する事ができます。

【穴形爪やすりの具体例1の説明】
 本穴形爪やすりの具体例1を図1と、図1の断面を示す図2により示します。
 爪やすりとしての機能を果たす為のある程度の硬さを有する材質の本体構成部材1に数種類の穴2を設け、本体構成部材の外周に手に馴染むように握り部3を取り付けます。

【穴形爪やすりの具体例2の説明】
 図1と図2の具体例1では平面的な板状になっておりますが、図4の通り、プラスチック等の成形が容易な材質で製作した球体等の立体的な構造の本体構成部材の外周に、爪やすりとしての機能を果たす為のある程度の硬さを有する材質の数種類の穴径のリングを貼り付けて爪やすりとします。

【穴形爪やすりの具体例3の説明】
 図1と図2の形態例1や、図4の形態例2では爪やすり単体となっておりますが、一般的な爪きりの本体部分やその他種々の機器に数種類の穴を設ける事により、爪やすりとして併用できます。
 
【穴形爪やすりの具体例の詳細説明】
 図5の説明図から分かりますように、穴の縁の角は研削刃となるので、穴の縁の角は意図的に角を立てる加工方法とします。

 図6は、本穴形爪やすりの形態例1の使用方法を示します。

【穴形爪やすりの効果】
 以上説明しましたように穴形爪やすりは、爪の形状に沿いやすく簡単に爪を研削できる事と、構造が非常に単純なので製造コストが安くなる事の利点が有ります。 又、単純な構造が故に色や形にとらわれる事が無いので、どんな形状にも対応でき、又、種々の機器と複合的に組み合わせる事により多機能化できる等の利点が有ります。

【図面の簡単な説明】
  【図1】
 爪やすりの具体例1を示した平面図です。
  【図2】
 爪やすりの具体例1を示した断面図です。
  【図3】
 従来の爪やすりの斜視図です。

  【図4】
 具体例2を示した斜視図です。
  【図5】
 本発明の研削の原理の説明図です。
  【図6】
 本発明の具体例1の使用方法を示します。
  【符号の説明】
 1       本体構成部材
 2       研削用丸穴
 3       握り部
【書類名】     図面
【図1】 爪やすりの具体例1の平面図です

【図2】 図1の断面図です





【図3】 従来の爪やすりの斜視図です

【図4】 爪やすりの具体例2の斜視図です

【図5】 研削の原理説明図です







【図6】 具体例1の使用方法説明図です

【実証実験説明】
 下記の方法で実験できますので参考までに記します。

①実験用試作品の製作
 材料は実際にはある程度硬度を有する物が良いのですが、実験ですから1mm弱のSUS304P(ステンレス鋼板)40~50mm角程度の大きさの板にパンチ(プレス金型の種類)で数種類の径の穴をあけます。パンチであけた穴はドリルであけた穴より穴の縁の角が立ちますので、パンチであけた穴が適しています。
 穴のサイズは爪の大きさによって変えますので、爪の幅の半分程度(4~8mm)の大きさの穴数種類を用意してください。
 穴の角が研削刃になりますので、穴の面取りは絶対にしないで下さい。ただし、指などを傷つける事がないようにかえりが出ないように加工してください。

②爪の研削方法
   その穴を指の爪に当て、穴の2点で左右に回転を加えながら引っかくようにスライドさせれば、穴の内側2点のエッジで綺麗に爪を研削する事ができます。