【アイデアの名称】   多用途うろこ取り機

【多用途うろこ取り機の考案の背景】
 仕出屋さんの知人に、「もっと手軽に簡単にうろこを取る道具がほしいのだが」と頼まれ、うろこが飛散しないで楽にうろこが取れる方法は無いものかと考えた結果、従来の方法とは異なった振動によるうろこ落しに思い至りました。このアイデアの特徴は振動方式でうろこの飛散がない事と、構造がシンプルである事ですが、ただうろこ落しだけでは消費者は買ってくれないと思い、多用途に使用できる工夫をしました。

【多用途うろこ取り機の特徴】
  【特徴1】
 耐錆性と弾性を有する金属製のへら状の薄板を電動で前後に振動させる事により、魚のうろこと表皮の間に薄板を入り込ませ、無理なくうろこを表皮からはがすので、うろこを周囲に飛散させる事なく、手軽に素早くうろこを取り除く事が出来ます。
  【特徴2】
 先端部の交換式の先端工具をやすり、砥石、ブラシ、研磨紙、へら等を有した先端工具に交換すれば、うろこ取り以外にそれぞれの目的の道具に早変わりし、多用途の道具として使用できます。
  【特徴3】
 構造が簡単で大きさも手ごろなので、安価で製作でき、使用後の後始末も楽なので手軽に使用できます。

【多用途うろこ取り機の詳細な説明】

  【従来のうろこ取り方法】
 従来のうろこ取り方法は、専用のうろこ取り器や包丁等を使用して引っ掻いてうろこを取っている為にうろこが飛散する上、何度も往復動作を繰り返さなければならないので、労力を要します。又、機械式の物は大きくて小回りがきかないので小魚などのうろこ取りには不向きです。

  【従来のうろこ取り方法の問題点】
   従来のうろこ取り方法は手動式にしても、機械式にしても、うろこを取る基本的な方法は同じで、うろこを表皮から垂直に立てながら裏返すようにして引き剥がしている為、その反動でうろこが周囲に飛散します。又、うろこを収納箱に収納する形式にしても、収納箱が必要で構造的に大きくなり作業性が悪く、作業後の収納箱の清掃などに手間が掛かる等の問題点があります。

  【うろこ取りの原理説明】
 耐錆性と弾性を有する金属のへら状の薄板を電動で前後に振動させる事により、魚のうろこと表皮の間に薄板を入り込ませ、順にうろこを表皮から剥がして行きます。うろこはへらの上に順に重なって一塊になり溜まって行くので、周囲に飛散させる事が有りません。又、振幅の小さい振動的な往復動作なので魚体を強く保持する必要が無い等の特徴があります。図2はうろこを剥がす原理を示した物です。

  【多用途うろこ取り機の形態例】
 多用途うろこ取り機の形態例を図1に示します。多用途うろこ取り機は交換式先端工具と本体とで構成され、交換式先端工具は本体から抜き差しするだけで脱着出来る構造とします。
 本体図3は駆動部と電源部から構成され、防水構造とします。本体先端の接続部に図4のうろこ取り工具を装着すると図1に示すうろこ取り機になり、その他、やすりに交換すると、金属やプラスチック、木材等の研削に、図5の砥石に交換すると、包丁などの刃物研ぎに、図6のワイヤブラシやナイロンブラシに交換すると、色々な部品の清掃に、図7の研磨紙に交換すると、色々なものを磨くのに、図8のへらに交換すると、シールや粘着テープ等の剥離にと、先端工具を交換する事により、それぞれの専用工具に早変わりし、多用途の電動工具として使用できます。
 又、考え方を変えますと、木工細工に使用します、のこ、やすり、等にも応用出来るのではないかと思います。  図9は、1形態例としての多用途うろこ取り機の使用方法を示します。実際の作業においては水道水の水流の中で行なう事も可能です。
 うろこ取り工具は、本体に接続できる接続部と、うろこ剥がしに使用する耐錆性と弾性を有するへら状の金属製薄板のうろこ落し部で構成され、うろこ落し部の形状は、薄板の弾性で柔軟に魚体に対応出来ると共に、うろこと表皮との間に入り込む事ができる板厚にします。先端の形状は魚体の大きさや形状に合わせて数種類用意します。
 駆動部は、電動モータとその回転運動を往復運動に変換する機構とを備えていて、振幅の小さな振動的な往復動作を発生します。
 電源部は電池の収納を基本形とし、電池は乾電池、充電式電池、両用かもしくは、充電用電源を接続して充電する充電式とします(コードレスが目的)。又、電源部は作業をする際の握り部として使用します。

【図1】 うろこ落し機の斜視図です。

【図2】 うろこ落しの原理説明図です。

      振動の振幅は2~5mm程度だと思います。
      市販されている電動歯ブラシで実験してみたのですが、2・3mm程度の振幅で
      大丈夫でした。

【図3】 本体の斜視図です。




【図4】 うろこ落し先端工具の平面図と側面図です。

【図5】 砥石先端工具の平面図と側面図です。

【図6】 ブラシ先端工具の平面図と側面図です。





【図7】 研磨紙先端工具の平面図と側面図です。

【図8】 へら先端工具の平面図と側面図です。

【図9】 魚のうろこ取りの説明図です。