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目覚し時計
知覚のはなし
 今回のテーマを決めるに当たり、私のネタ帳の中からいくつかの候補を絞ってそれぞれ下調べをしてみました。その中で、ひとつ面白そうなキーワードが見つかったのでそれを取り上げたいと思います。今回のテーマは、ズバリ[目覚し時計]。 ・・・目覚し時計のどこが面白いんじゃ!という声が聞こえてきそうですが、今回はこれまでのような使い方や機能の話ではなく、それに関わる[知覚]について考えてみたいと思います。
 知覚というのは、見る・聞く・嗅ぐ・触れるなどの人間の感覚のことを言います。ご存知のように目覚し時計というのはたいていの場合、音で時間を知らせます。知覚で言えば聴覚ですね。これをUDに当てはめてみると、音だけでは足りないことがすぐわかります。ところで、話は変わりますが人間が最も認識しやすい知覚って何なのでしょうか。たとえば、視覚というのは見たいものに(意識的に)目を向けないとそれを見ることができませんし、味覚も物を口に入れないと味を認識できません。対して聴覚や嗅覚は何も意識しなくても自然に入ってきます。また、触覚は決まった感覚器はなく、からだ全体で認識できます。さらに、味覚や嗅覚はそれ自体から複雑な情報を組み立てることは難しいです。(あ、でも味覚は”おふくろのやさしさ”が伝わるかなぁ。) このように知覚にはそれぞれ一長一短がありますし、それらがそれぞれ補い合っているのがよくわかります。それを目覚し時計に当てはめて考えてみると、まず視覚というのは目をつぶっていますので、もちろん有効な手段ではありません。そもそも睡眠中というのはあらゆる知覚の反応が鈍っており、最も効果のある”目覚し”というのはかなり絞られてくるように思います。

★理想の目覚め方って・・・
 ものすごく根本的な話ですが、この世の中に目覚し時計がありがたいとは思っても、好きだという人はいないのではないでしょうか。ヒトがせっかく気持ちよく寝てるのを邪魔するわけですからね。好きじゃないどころか、憎しみすら覚える人も多いのではないでしょうか。本当はねぇ。。朝日とともにすーっと起きられれば良いんですけどね。なかなかそんな流暢なことも言っていられません。余談ですが、人というのは朝日を浴びると脳内にある松果体(しょうかたい)という部分によって体内時計がリセットされ目が覚めるそうです。ただ、私の場合は布団にもぐって寝てるんです。。”朝日浴びないじゃん!”って話ですよね。
 また、よく人の睡眠時間は8時間が望ましいということを耳にします。実はアレ、医学的には何の根拠もないそうです。適正な睡眠時間というのは個人個人でバラバラで、日に3時間で大丈夫という人もいれば10時間寝ても足りないという人もいるそうです。 睡眠が充実していなければ、当然目覚めも良くないはずです。理想的な目覚めというのは、実は睡眠をどのように取るかということになってきそうですね。  あれ?理想的に目覚めるときって、ひょっとして目覚ましなんていらない???

★最も効果のある”目覚し”とは
 さて、本題です。以上のようなことを踏まえたうえで、最も”ユニバーサル”な目覚ましというのはどういうものでしょうか。
 まず視覚によるアラームは、そもそも寝ているときは目をつぶっていますので晴眼者でもかなり強い光でない限り認識できません。また現在最も普及している[音]というのは、上述のように認識できない人もいます。最近話題になっているのは、某鉄道会社の乗務員が仮眠のときに使っている目覚ましで、空気袋を背中に敷いて設定時間になるとそれが膨らんで知らせるというものもありますし、枕やベッドシェイカーというものが振動して知らせるものなどもあります。これらは、特定の感覚器に依存するのではなく、からだ全体で認識できるので使うことのできる人も多いかもしれません。
 ちなみに某楽○市場で[目覚まし時計・ユニバーサルデザイン]で検索してみると、たった1商品しか出てきません。うーん・・・淋しいなぁ。実はちょっと期待していたんですけどね。現状はまだまだのようです。ただ、逆に言えばUDの目覚し時計を作った企業があったわけでから、それはプラスに考えないといけません。(その企業のホームページを見てみると、以前謳っていた”ユニバーサルデザイン”の文字が消えていたのが不安なところですが。) ですが、その商品を見てみると表示が見やすかったり、時刻を音声で知らせてくれたり、操作がしやすかったりと残念ながら予想の範囲でした。
 
★どう改良したらいいか(提案)

論点はずれてしまいますが・・・
 知覚の話からは少しずれてしまいますが、操作性の面でいうと絶対、電波時計をお勧めします!
 いちいち時刻を合わせなくてもいいというのは、ツマミを回すなど細かい操作の必要もありませんしUD的にもかなりポイントが高いです。

※1 感覚疲労
 それぞれの感覚は、ある一定の同じ刺激を受け続けると、それに対して感度が著しく低下してしまいます。これを”感覚疲労”といい、よく言われる”感覚がマヒする・鈍る”というのはこの作用といえます。また、一般的に嗅覚は他の感覚に比べ疲労が早いといわれます。
 そりゃねぇ、においばっかりはいつまでも慣れないっていうのは非常にツライものがありますよ! 朝のお父さんの後のトイレとかね。。 オバチャンでいっぱいのバーゲン会場とかね。。(すみません、これはあくまで想像です。)

”武弘の さぁいっちょ ぶぁーっといきましょー!” 番外編 (本編はこちら) 上へ

★知覚と感覚器
 今回のテーマは[知覚]でしたが、たとえばものが見える・聞こえるというのは体の中ではどのような現象が起こっているのでしょうか。ものが見える仕組みはこうです。まず目で見たものの映像(光)が網膜に映り、それが一種の電気信号となって視神経を通って脳に伝わります。音も耳から入り、鼓膜、耳小骨を振るわせて電気信号が神経を通って脳に伝わります。脳は受け取った電気信号を映像や音に変換して実際に認識できるわけです。と、言うことはたとえば目の見えない人、耳の聞こえない人でその原因がもし目や耳など感覚器そのものであるならば映像や音の電気信号を直接脳に伝えることによって、それらを認識できるのではないでしょうか。それはもちろん頭からたくさんの線を生やすのではなく(想像したら怖いです。)たとえば特殊なヘッドセットを付けるとか小さなチップを埋め込むとか(これも恐いなぁ。)要は脳に信号が伝わればいいわけですからね。手はあるはずです!
 さらに発想を換えて、逆に脳から神経のほうに電気信号を送ることができれば、それまで動かなかった筋肉などが動くなるようになるかもしれません。わかりやすく言えば、たとえば歩けなかった人が歩けるようになったり、手のコントロールがあまり上手くない人もスムーズに動くようになったり、あるいは私のような”くちベタ”な人が突然えらくじょう舌になったりするかもしれません。それは何も生身の体に対してだけではなく、義足や義手に対しても有効かもしれません。もっと言えば、電動車椅子なども操作できてしまうかもしれませんね。 ・・・って、ちょっと怖い話になってきたなぁ。
 これまでは人が持っている感覚器が機能しなければ、その知覚は認識できませんでした。しかし今は、人体のメカニズムの解明や技術の進歩によってそれらを介さずに知覚を認識する方法も研究され始めています。たとえ感覚器に障害があってもそれを補う技術が開発され実用化につながれば、それによって恩恵を受ける人も少なくないはずです。

参考: (順不同)
白元 [めざましアローム] (匂いを利用した目覚まし) ←販売終了
【NEWタイプ】定刻起床装置 「やすらぎ100」(個人簡易型) (空気袋を使う目覚まし)  →新光電業 株式会社
日本化学感覚研究所(リンク切れ)


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