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冷蔵庫
実は、使いづらくなりました。
 今回のテーマは冷蔵庫です。昔の冷蔵庫は上から、冷凍室・冷蔵室・野菜室の順でしたが、最近の冷蔵庫は上から、冷蔵室・野菜室・冷凍室(野菜室と冷凍室が逆の場合もあり)という順になっています。これは、よく使う冷蔵室を立ったままかがまないでも使えるよう位置を入れ替えたわけですが、残念ながら私にはかえって使いづらくなってしまいました。というのも、私は立つことができないため冷蔵室がドアポケットの一番下しか使えなくなってしまったのです。たしかに以前はあこがれだった冷凍室が下に来てアイスや氷は取り出しやすくなったのですが、それでもやはりメインとなるのは冷蔵室のものです。おかげで”夜中の盗み喰い”ができなくなりました。。
★UDの限界
 UDが[より多くの人が使いやすいもの]だとするなら、冷蔵庫の場合は私はその対象から外れてしまいました。たしかに立っている人が使う場合がほとんどなので、多くの人にとっては使いやすくなったのですが、一方で私のように立つことのできない人にとっては使いづらくなってしまったのです。
 UD化を進めるに当たっては、さまざまな立場の意見を聞き、さまざまな角度から検証する必要があります。しかしながら、立場や意見がまったく異なる場合は間を取るか”多数派”を取るかのどちらかです。そうなるといくらUDを意識しても中途半端なものになってしまうかもしれません。どうしても使いづらいものは自助具を使うという方法もあるのですが、冷蔵庫のような大きなものの場合はそういう訳もいきません。(マジックハンドでお皿を持つのはちょっとね!)
 このように、いくらUDと言えども限界があるということを頭の隅にいつも置いておかないと本当に良いものは作れないような気がします。また、残念ながら使いづらくなってしまった人をどうフォローするかも考えなければなりません。今回、冷蔵庫を取り上げたのはあえて私が使いづらくなってしまったモノを検証してみようと思ったからです。UDを絶賛するのではなく、時には批判的な目で見てみるのもまた新しい発見があるかもしれません。
 それにしても、今回のテーマはかなり手ごわいですね・・・。悩んでます!
★誰が使いやすくなって誰が使いづらくなったか
 では一体、現在のレイアウトで誰が使いやすくなって誰が使いづらくなったのでしょうか。当然のことながら立って使う人には断然使いやすくなりました。また、家の中で車椅子に乗っている人もおそらく使いやすくなったのではないかと思います。逆に、私のように立つことのできない人や小さなお子さんは冷蔵室は使いづらくなってしまいました。
★どう改良したらいいか(提案)
◆外観編
  • レイアウトを変更する。
    かなり大胆ですが、こんなレイアウトはどうでしょうか。

    冷蔵庫の大胆なレイアウト図 特徴:
    冷蔵室と冷凍室の扉は、左右両開き。野菜室は引き出し方式。

    冷蔵室と冷凍室の位置を同じ高さにすることにより、立つことのできない人でも両方使える。

    冷蔵室上部は広くなっており大きなお皿なども入れられるようにする。また、背の低い人でも楽に出し入れできるようにトレイを引き出せるようにする。
    問題点:
    大きなものは上部にしか入れられない。



  • 部屋を単体にする。(コンポーネント式にする。)
    冷凍室・冷蔵室・野菜室をそれぞれ単体にしてレイアウトは購入者に任せる。
    ただし、一体型に比べると冷却効率がかなり悪くなるのでお財布と環境には良くない。

  • レイアウトを変えるのではなく、各部屋のスイッチによって冷凍室・冷蔵室・野菜室の切り替えができるようにする。
    操作は楽だが、各部屋の大きさのバランスが問題になってくる。

  • たて型ではなく、よこ型にする。
    立つことのできない人には良いかもしれないが、立ってる人にはやはり使いづらい。
    なにしろ場所をとりすぎる。
★やはりムリなのか
 ここまでいろいろと改良案を挙げてみましたが、正直どれも”ユニバーサル”ではありません。やはり冷蔵庫の場合はムリなのでしょうか。他の解決法として、もう一台小さい冷蔵庫を置くという手もありますが(うちでもその案が出ましたが、却下しました。)これはUDではなくバリアフリーの考え方です。それに、どこか別扱いされているようであまり良い気持ちはしません。
 しかし、何か方法はあるはずです。”長方形”にこだわってちゃいけないのかなぁ・・・。

滝沢武弘の ”さぁいっちょ ぶぁーっといきましょー!” 番外編 (本編はこちら) 上へ

★究極の冷蔵庫
 このコーナーで冷蔵庫を取り上げるにあたり、”誰もが使える冷蔵庫って、どういうものなのかなぁ”とずっと考えていました。
・・・。
思いついてしまいました! 部屋がひとつの冷蔵庫を!
 だって、部屋がいくつも分かれてるから問題なわけでしょ。それならひとつにしちゃえばいいじゃないですか。例えばアイスと一緒にゼリーがあったり、冷凍食品の横に卵が並んでいたりとどこに何を置いても勝手に識別して適当な温度で保ってくれるようなものがあればいいと思いません? まぁそこまではムリだとしても、棚ごとに温度を調節するというのはできそうな気がするんですけどね。
 それともうひとつ、立体駐車場みたいな冷蔵庫。小さい口があってそこに品物を置くと勝手に各部屋にしまってくれたり、取り出すときもモニタで品物を選ぶとそれが出てくるようなものを思いついたのですが・・・ これはだいぶ問題ありですね!

・・・と、数年前に書きましたが。
 今、読み返してみると、なんだかアホなこと書いてますね・・・。(笑)
 一人暮らしを始めて、実際に冷蔵庫を毎日使っていますが、不便という不便はほとんど感じたことがありません。上で書いていたのは、家族用の大型のものをイメージしていたんですね。今使っているのは、単身用の小型のものです。(たしか、135Lだったかな。)上の段のものもちゃんと届くし、もちろん冷凍庫も下だから冷食詰め放題だし(うちの冷凍庫は最強です!笑)、ま、強いて言えば開閉扉に取っ手がないことぐらいですかね。。
 ・・・だからねぇ、、頭でっかちでもの書いちゃいかんね。。何でも経験が大事なんですな。。何が「UDの限界」だよ!(笑)

★これが今使っている冷蔵庫です。

   今使っている冷蔵庫 取っ手代わりにしているタオル掛(クリックで拡大)

 前面のゴミカレンダーは“あるある”ですよね。(笑)上で取っ手が無いのが不便と書きましたが、私の場合は右の写真のようにタオル掛を取っ手の代わりにしています。

 実際に使っている様子はこちら(動画)

 取っ手をタオル掛にした理由がわかったでしょうか? わざと右のほうを出っ張らして、そこに引っかけて扉を開けます。タオル掛の場合は、支点の位置を自由に動かせるものがあるので、こんな使い方ができます。それの何がありがたいのか、、手をグーのままでも開けられるんですね!もっとありがたいのは、物を持ったままでも小指で引っかけて開けられるのです。私は物を持つのに時間がかかるので、扉を開けてから物を持つと冷気がみんな逃げちゃうんですね。だから、ちょっとでも開けている時間が短くなるように最初から入れる物を持って開けるようにしています。唯一、難点なのは壊れやすいことなんですよね。。この方式で、11年で6~7本はやっちゃってると思います。ま、そりゃそうですよね、あくまでも[タオル掛]なんだもん。こんなハゲしい使い方をするヤツはいませんよね。(笑)
 上の段も、ひざ立ちをすれば楽に届きますし、ちょっと頑張れば座ったままでも腕を伸ばして届きます。(昔から、腕と首と顔の長さには自信があります。笑)

 とは言っても、やはり大型の冷蔵庫は使いづらいです。私もたまに実家に帰った時に冷蔵庫チェックをしようと思うのですが(なんでだよ!笑)、ひざ立ちでも冷蔵室に届きませんからね。。いくら大多数から外れたとは言え、何か良い解決法はないものかと思います。
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