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プラグイン カー
先日、父親と弟と私でこんな会話がありました。
「プラグイン カーって出始めたけど、どうなんだ?」
「あれって夜中、プラグさして充電すんでしょ?」
・・・
”夜中、プラグさして充電する”・・・? ん??
考えたら俺、いっつもやってんじゃん。。それも25年も前から。。
私は自動車の免許も持ってませんし、運転もできません。でも持ってるんですよ!「プラグインカー」。そう!私の愛車、電動(車いす)ちゃんです。もう25年前から”夜中、プラグさして充電する”という作業をすでにしていたんですね。まぁ、当時は“プラグイン”なんていう言葉はありませんでしたから、当時風にいえば「コンセントに線さして充電する」ってな感じです。
自動車と違って電動ちゃんは室内でも使うので、エンジンは使えません。効率性を考えると当然、電動式になります。なので初めてプラグイン カーが出た時でも、それほどの驚きはありませんでした。「充電式? やっと車も俺らのレベルに達したか」ってなもんです。
思えば、我々が昔から普通に使っている言葉やモノが今になってやっと世間に出てきたということは多々あります。[バリアフリー]という言葉を私が初めて聞いたのは18年ぐらい前(‘94年頃)だし、今では家電も普通にしゃべりますが、しゃべると言えば25年前からトーキングエイド(※)でしょう!!(当時、「あのnamcoがこんなの作るのー!」って驚いたものです。私は使わなかったけど。。(笑))
やはり、モノの基本は使いやすさなんでしょうね。使いやすいものは自然と広まっていったり、残っていったりします。変な話、いわゆる[民生品]と[自助具]というのは以前ははっきり区別されていましたが、今はその区別が徐々に無くなってきているように思います。使いやすいものがあれば、それを使う。そして需要があれば作る。[自助具]という概念を取り入れていなくても、普通に[便利な道具]として流通していますし、我々も以前より手に入れやすい環境になってきました。私は、すごく良いことだと思っているんですよ。そもそも、自分が使いやすいものはすべて[自助具]なんですよね。逆に言えば、[自助具]なんて仰々しい言葉も、もう必要なくなってきているのかもしれません。普通に便利な道具が店に売っていて、気軽に手に入れることができれば、より暮らしやすくなっていきます。ただ、そのかわり、売れないものはすぐなくなってしまいます。そういう意味ではとてもシビアですね。いくら自分が使いやすいものでも、売れなければあっという間に消えてしまいます。私も何度か、使いやすそうな道具をチェックしておきながら、後日「あ、そういえば」と思って見てみると、いつの間にかなくなっていたという経験があります。
また、その道具が広まる要因の一つとして”扱いやすさ”というのがあります。自動車でいえば、一時期、燃料電池やバイオ燃料が話題になりましたが、いつの間にか追いやられてしまいました。(いや、今でも研究はされていると思うのですが。)それは、燃料電池では水素をタンクに積まなければならないことや、それを補給するステーションを新たに作らなければならないことなど、数々のネックがあります。私も詳しくはないのですが、水素ってたしか爆発しやすいんでしたよね?? そうなると、その扱いにも注意が必要になってきます。
対して電気は、インフラがもうすでに整っているので充電スペースを作ればすぐに実用化できます。しかも、プラグを差すだけでいいので安全性も高く、専門的な技術も要りません。
理想的な道具を作るために、様ざまな手法や技術が試されます。当然、それぞれ長所や短所が出てきます。でもそれは、それぞれの段階では必要なことであり、決してムダではありません。そして、たとえ一時的でも[○○ブーム]というのは私は悪いことだとは思いません。ブームが起こると、そのモノに対しての注目が増えますし、新規に参入してひと儲けしてやろうという輩も出てきます。実はそれが重要でね! ヘタに昔から一筋でそのモノに関わっている所よりも、何の先入観もないポッと出の所のほうが新しい技術や手段を生み出しやすい場合があります。それが、その道具の進化につながり、より使いやすいものになっていくと思うのです。
プラグイン カーというのは今の時点での最良であって、今後また新しい考えのものが出てくると思います。どんな道具であっても、少しでも便利なもの、使いやすいもの、環境や暮らしに溶け込むもの、そして我々の暮らしを豊かにしてくれるものになっていくはずです。
道具の進化を享受するとともに、我々もその道具に“使われない”ようにしたいものです。
「俺の愛車、プラグイン カーなんだぜ!」 今度、誰かに言ってみようかな。。
「へぇ~~~ で?」って言われて終わりそうだけど。。
※トーキングエイド・・・
文字盤のようなキーボードと小さいディスプレイが一体になっており、入力した文章を音声で読み上げる装置。言語障害がある人は、とりあえず勧められる。
ただねぇ、、見た目がちょっと悪いんですよ。。(ごめんなさい!) デカいし。。 それに、一度使うと、それに頼ってますますしゃべるのがヘタになりそうだと思ったので、私は使いませんでした。