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病院
「あー、俺もオッサンになったなぁ。。」と思ってしまうことのひとつとして、病院に行く機会が増えたというのがあります。若いころは、病気もほとんどしなかったし、ましてや病院なんて本当に滅多に行きませんでした。
ところが今は、最低でも週1回のリハビリ。それプラス歯医者だったり、薬をもらいに行ったりと気がつけば“行きつけ”が3ヵ所。。他に、行きつけの病院にない診療科で診てもらうために1ヵ所と診察券が増える一方です。(笑)まさか、週1回病院に通うことになろうとはね・・・。だって、4、5年前までは病院なんて数年に一度、それも役所に届けを出すために診断書をもらいにいくか、これも数年に一度、突如やって来る腸閉塞で入院するぐらいだったんですよ!(入院かよ!笑)それが、40を過ぎてから本当に急にですよね。。体力は無くなるし、あちこち痛くなるし、おまけに毛根まで無くなるし(・・・)、もうオッサンもいいとこです。(笑)
ただ、私はいわゆる[障害者専門の病院]には行っていません。すべて[普通の病院]です。うーむ、、健常の人にはちょっとわかりづらいかもしれませんが、(おそらく)障害者を専門に診る病院というのがあって、たいていの障害者は子どものころからそこに行き(または入院し)、そのまま通い続ける人もいます。私も子どものころは、このような病院に入っていましたし、おそらく、何もなければそのまま通い続けていたでしょう。ですが、うちの場合は私が入院している間に少し離れた所に引っ越したんですね。そのために、退院してからしばらくは通っていたのですが、車で2時間かかるんですよ。。さすがに親もうっとうしくなりますわね。。(笑)また、冒頭でも書いたように昔は体も丈夫で、何年も病気なんてしなかったので、自然と行かなくなってしまいました。
もちろん、いくら体が丈夫だったとはいえ、たまにはカゼぐらい引きます。でもねぇ、、うちの親はそれぐらいじゃ病院には連れて行ってはくれなかったんですね。。(笑)さすがに、ネギは首に巻かなかったものの、「汗かけば治るから」で乗り切っていました。(もちろん、本当に心配してくれたし、十分に看病もしてもらいましたよ。)子どものころは本当に病院に行った記憶がないですね。
しかしながら、当然いつかは病院に行かなければならない日も来ます。実は家の近くにも、前述のような専門の病院がありました。まぁ、あるんだったらとりあえずは行きますわね。。私も何度か行きました。
・・・あのねぇ、、やっぱり違和感があるんですよ。(笑)何て言うんだろう、、目には見えない“よそ者感”?というのかな。。もちろん、病院の人たちは優しく接してくれます。ですが、そういう所って、親も子も小さい時からの関係なのでその場のコミュニティというか独特の雰囲気があるんですよね。。ましてや、そのとき私は中学生ぐらいだったので、なかなかその中に入って行けませんでした。たぶん、母もそうだったんじゃないかと思いますね。
そんなこともあって結局は馴染めずにいました。大体、数年に一度しか行かない所で馴染むわけがないんですよね。(笑)
さて、ここからが母のすごいところです!それ以降は私が病気やケガをしたときは、町の普通の病院に連れて行ったんですね!その専門病院のすぐ裏に国立の病院があるので、そこに行ったり、それこそ近くの小さい診療所にも行きました。もちろん、こんな体だから最初は煙たがられましたね。。近くに専門のところがあるのに、なんでそっちに行かないんだよ!みたいな感じで言われることも、やはりありました。母もきっとムカついたことでしょう。でも、そこは「すいません、診てもらえませんか」って粘ってくれたのです。今となっては本当に感謝ですよね。それからは私も徐々に[普通の病院]に慣れていきました。
そもそも、別に障害者であろうが、どこの病院に行っても良いはずなんですよね。。もちろん、我々独特の病気やケガがあったり、施設的な問題もあるので一概には言えませんが、“普通”の病気やケガであれば[普通の病院]に行ったって良いはずです。それは我々自身にも実は思い込みがあって、普通の病院じゃ診てもらえないんじゃないかとか、障害者が行ったら迷惑がかかるんじゃないかとかと勝手に決めつけている部分があるかもしれないですね。ただ私の経験から言うと、実際[普通の病院]に行ってみると何も変わらなかったりします。だって、ただのカゼに障害もへったくれも無いでしょ!?もちろん、普段から特殊な薬を飲んでいる人もいるので、薬の飲み合わせ等も注意がいるかもしれませんが、言っても同じ[医者]ですからね、、心配してもしょうがないところです。それでももし心配なら、自分で言えば良いだけのことですよね。
そんな経緯があって今の3ヵ所に通っているわけですが、そのうち2ヵ所は一人で電動車いすで行っています。1ヵ所はちょっと狭くて電動車いすだと動けないので、ヘルパーさんと手動の車いすで行っているんですけどね。あとは一人で電動車いすで行っても今まで特に困ったことはなかったですね。
例えばいつも行っている歯医者さんは、町の普通の歯医者さんです。入り口に段差があるのですが私が行くと簡易的なスロープを出してくれて手伝ってくれます。受付も、もう慣れたもので、「診察券もらいますねー」と私のカバンから取り出して受付してくれます。診療も、私が治療用のイスに移れないので電動車いすのままで治療できるように場所を作ってくれたり、感動したのは、先生が私の障害を理解してくれていて、衛生士さんに「滝沢さんは不随意運動があるから気をつけてあげてね。」と言ってくれたことです。衛生士さんは「不随意運動?なんじゃそれ?」みたいな顔してましたけどね。(笑)その後、先生が「これこれ、こういうことなんだよ」と説明していました。
何がうれしいって、町の歯医者さんからまさか[不随意運動]なんて言葉が出てくるなんてね。。「先生、歯医者なのにすげぇな」と一気に信用しました。だからねぇ、、“専門”とか、そういう話でもないような気がするんですよね。。もちろん、慣れ・不慣れの差はあると思います。ただ、素人考えですがお医者さんて障害のことも、ひと通り知識として入っていると思うんですよね。。(ずいぶん上からだなぁ!笑)だから基本的には普通の病院に行けるのであれば、そっちに行ってもいいと思うんですよね。。ヘンに“障害者は専門の病院に行かないと”なんて決めつけてしまうと、それだけで選択肢が狭まってしまうと思うのです。いくら専門と言ったって先生との相性が悪かったら最悪でしょ!?(笑)
今、週一でリハビリを受けている所も近所の小さい(小さくはないか。。)クリニックです。そこは通い始めて半年ぐらいですが、そのちょっと前に突然、背中に激痛が走ったんですね。で、以前から行っている病院の整形の先生にレントゲンを撮って診てもらったら、首の骨のすき間が詰まってきて神経を圧迫して痛みが出ているとのこと。先生いわく、「本当は首を引っ張ったほうがいいんだけど、うち、機械ないんだよね、、この辺でやってくれる所ないかなぁ。」とのことでした。
それで近くで首のけん引をやっている病院を探すことになったのですが、ある時、たまたまヘルパーさんとその話になって、「私が(腰の治療で)行ってる所で首のけん引やってるよ」とそのクリニックを教えてくれました。
整形の先生に紹介状を書いてもらって(私がかなりムリを言って書いてもらったのですが。。笑)いざ、行ってみました。
最初、院長先生に診てもらったのですが、やっぱり「なんでお前がうちに来たんだよ」みたいな顔してましたね。(と感じただけです。笑)でも、紹介状を渡して、今の状況を伝えたら「そうだね、うちのリハビリ来たらだいぶ良くなると思うので、来てくださいね。」「巡回車も始めたんで、どんどん使ってくださいね。」と言ってくれたのです。やぁ、うれしかったですね!それまで、そんなに優しい言葉をかけてもらったことがなかったので、ちょっと感激しました。ただ、そこはやっぱり町のクリニックなので、どうしたって造りが狭いんですよ。だから、ここだけは手動車いすなんですね。。だからなおさら巡回車がありがたいです。それもリフト付きですよ!もちろんリハビリが一番の目的なのですが、この巡回車の存在が決め手の一つになったことは間違いないですね。
そしてまたねぇ、、実際に治療してもらっているリハビリチームの人たちがみなさん本当いい人なんですよ!もちろん、最初は例のごとく「お前、何しに来たんだよ」みたいな雰囲気でした。(いや、もちろん私が勝手に思っていただけですよ。笑)それが、毎週通って2、3ヶ月もするともう普通にしゃべってくれて、今では他の人と同じように接してもらっています。とは言っても私の知る限り、車いすは私だけなので当然部屋のレイアウトも車いす対応にはなっていません。だから私が治療を受けるときは車いす用にスペースを作らないといけないのですが、もうね、、こっちが申し訳ないなと思っているのに、スッと準備してくれて普通に治療してくれるんですよ!これが一番うれしいですよね。本当にありがたいです。ただねぇ、、歯がゆいのは、まだ私の言葉が通じないんですね。。やっぱり治療してもらっている時に世間話でもして、ひと笑いもふた笑いも欲しいじゃないですか。(マジかよ!)ですが、私自身もまだちょっと緊張があるのか、いまいちスムーズにしゃべれないんですよね。。(まぁ、スムーズにしゃべったところで、どっちみち言語障害だから通じる保証はないんですけどね。笑)結果、「滝沢さんて、おとなしくて真面目だよね。」という不本意な印象になっているようです。(笑)早くお互い慣れて「どこか調子悪いところありますか?」「うーん、ちょっと毛根が。。」という会話をしてみたいものです。(やばい、引くかなぁ??)
似たような話だと、床屋もそうなんですよね。。今はやはり近所の床屋さんに行っているのですが、必ず「床屋さんは普通の所に行ってるの?」と聞かれるんです。あれ、おもしろいですね。。福祉を知っている人ほど聞いてきます。(笑)おそらく、私が震えがあるので普通の所では難しいと思っているんでしょうね。
幸い、私が行っている床屋さんは弟の同級生のお父さんがやっているので(今は息子さんも)、私のことも知っていたのでやってもらえました。今のお店は広いのですが、以前のお店はちょっと狭かったので、入り口で切ってもらってね。。知らないで入ってきたお客さんにビックリされるんですよ。(笑)今思うと、かなり面倒くさい客ですよね。(ん?今も? 汗)本当に感謝です。
病院や床屋に限らず、我々障害者も可能な限り健常者と同じもの(や所)をどんどん利用すればいいんですよ。そりゃあ初めは周りの人や、そこにいる人たちに煙たがられたり、圧倒的に我々の方が少ないでしょうから、みんなの前でわざわざ大変な思いをしたりして、ある意味”見せ物”的になってしまうかもしれません。ですが、そこはいい意味で開き直って「障害者ですけど、何か???」(おぎやはぎか!)って堂々としていればいいんですよ!(もちろん、謙虚さは忘れずにね!笑)私はひねくれ者なので特にそんな思いが強いのかもしれませんが、普通のことを普通にする。普通の手段でする。これが大事だと思うんですけどね。
これもいわゆる[ノーマライゼーション]なんでしょうか。(いや、ちがうな。俺がドMなだけだな。。)
関連項目
ちょっと微妙な「お久しぶり」
地元の祭り
リハビリ生活