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自虐
今のテレビをみていると、他人の容姿についてあれこれ言ったりイジったりするのはよそうという風潮になっています。このことについては、まぁ時代的にそんな流れなんだろうなぁとも思います。(私はイジりはある程度アリでもいいと思うんですけどね。)ただ、さらに今は自虐もやめていこうという流れも出てきているようです。
それは勘弁してよ!って感じですよね。(笑)
おそらく理屈で言えば、「いくら自分でとはいえ、おとしめる(卑下する)のは良くない」ということなのかもしれませんが、正直、「そこまで!?」と思ってしまいます。そんなこと言ったら、ここのコラムほとんどアウトじゃん!って感じですよね。(笑)たしかに[自虐]という言葉は決してポジティブな言葉ではありません。ただ、じゃぁネガティブな言葉かというと、私はそうは思わないんですよね。。
要は、“自虐”をどう捉えるかだと思います。他人への中傷と同じように、自分自身を卑下するような感じで捉えていると上のよう話になってしまいますが、私は自虐も笑いのひとつだと思っています。私自身は自分をおとしめているつもりも卑下しているつもりもありません。自虐というよりは“持ちネタ”といった感じでしょうかね。。まぁもちろん、これは誰にでも通じるネタではありません。私のことをよく知っていて、かつ、ネタとして笑ってくれる人にしかできません。それ以外の人の前で言っても、思いっ切り引かれておしまいですからね。(笑)ただ、じゃぁ何でホームページで自虐を書くのかというと、「せめて私と同じような考え(感覚)を持った人に笑って欲しい」という思いがあるからです。(まぁ、そんなに大げさな話でもないんですけどね。笑)マジメな文章をしかめっ面して読まれるよりは、私の文章で少しでもクスッとしてもらう方が嬉しいですし、何て言うんだろう、、とりあえず気楽に読んでもらいたいのです。「こいつ、こんな(しょーもない)こと書いてるよ。」みたいな。。(笑)自虐はそのための道具のひとつにすぎません。それが“良くない”となると、8割の笑いを失います。(もっと頑張れよ!笑)
うーん、、私は鈍感な人間なので“良くない”理由にいまいちピンときていません。「自分で自分のことを言っているんだから良いじゃないか」という野暮なことは言うつもりはありませんが、何と言うのか、もう少し広い心で見てほしいなという思いはあります。例えば私で言えば、これまでさんざんここのコラムで“ハゲネタ”を書いてきました。友達と話すときもバンバン言います。私がもし髪が薄いことを気にしていたら絶対自分からネタにはしないでしょうし、他人からイジられても“苦笑い”で終わると思います。ネタにするということは、もうすでに自分の中では消化できているということなんですよね。。私だって、35ぐらいから薄くなり始めて、最初はすごくイヤで「俺はまだハゲてない!」と言い聞かせていたのですが、40を過ぎるともうシャレにならなくなってきて(笑)、その頃から逆にネタにし始めました。
そしたら、その方が楽でね!(笑)それまでは“それ”をイジられてちょっとイラッとしたり、逆に気を使われて気まずい雰囲気になったり、あと、相手の視線が一瞬前頭部に行くんですよ!(笑)で、相手が慌てて視線を下げるっていう・・・。そんなことばっかりだったので、「えーい、自分で言ってやれ!」ってな感じで今に至っています。ただ、もともと自虐は好きで若い頃からよく友達同士で言っていたので、気付いたら“レパートリーのひとつ”になっていたという感じですね。(笑)なので、まったく抵抗も無いし、ましてや自分をおとしめているなんて露ほども思っていません。(まぁ、、それ以前に私がドMだっていうのもあるんですけどね。。笑)
そもそも“自虐”という言葉が良くないですよね。「自らを虐(しいた)げる」ですからね!「虐げる」っていうのはちょっとヘビーだな。。もっとポップな言葉にすればいいんですよね。例えば“自笑”とかね。(笑)[虐]っていう文字自体がもう怖いんですよね。。
私にとっては“有り”な自虐ですが、世の中的にはだんだんと少なくなっていくんでしょうね。テレビもネットも、気を使ってか怖がってかは知りませんがどんどん自主規制が強くなっていきます。“自主規制”っていうのがまた厄介なんですよね。。自主規制というのは、言わばその人のモラルとか良心の部分なので明確な基準がない分、どんどんエスカレートしていく可能性があります。モラルや良心っていうのは、つい、頑張っちゃうんですよね。。(笑)そこまで抑えなくていいことでも「これは(SNSなどで)突っ込まれる前に自主規制しとこう」と言ってどんどん項目が増えていきます。自虐もそうやって“行き過ぎた配慮”がなされているのではないでしょうか。[自主規制]なんて、聞こえは良いけど要は波風立てないようにするための体裁の良い逃げ口上でしょ!?(笑)
先日、ある芸人がテレビで「ドリフもひょうきん族もあれだけPTAに叩かれたのに、今や伝説の番組になっている」言っていたのですが、正直、スッとしました!(笑)まぁね、、伝説と思っているのはオッサンオバサンで、今の若い人は「は?」って感じでしょうけど、そうなんですよ!ドリフもひょうきん族も、当時からかなりぶっ飛んでたのに、それでも毎週やってたし両者とも長寿番組でしたよね。(私は10歳までは全員集合派、ひょうきん族が始まってからはひょうきん族派になりました。)もちろん、当時もかなり批判はありました。ただ、今と違うのは、まだネットが無かったので批判といってもテレビ局に直接クレームを言うか、せいぜい新聞の投稿欄に送るぐらいなので、そこまで広がることはありませんでした。それが良かったのかもしれませんね。批判はあるものの、(いい意味で)受け流して面白いものを作ろうというモチベーションが保てる環境だったと思います。自主規制なんて、当時はほぼほぼ無かったと思いますね。
物事の流行り廃りはあって当然だし、今は自虐が流行っていないということであれば私もいいと思うのですが、[自主規制]というのが逆にうっすら恐怖感を覚えますね。。自主規制って、裏を返せば他者へのけん制(いい言葉が見つからない)でしょ!?「私たちはもうこの部分はNGにしました。え?あなたたち、まだなの?」っていう暗黙のマウントの取り合いから始まって、それがどんどんエスカレートしていって[自主規制スパイラル]になっていくわけですよ!そりゃ自虐もイジりもNGになるわけですよね。(笑)
自虐って、そんなに“良くない”ことなんですかね?いや、もちろん自分を“攻撃”するのは良くないと思いますが、自虐って、自分のことをよくわかってないと言えないですし、ましてやそれを自分で面白い(肯定している)と思っていないと言えないわけで、攻撃の要素はまったくないと思うんですけどね。いやぁ、、難しい世の中になったもんですね。。“意識が高い”って、こういうことじゃないと思うんだけどなぁ。。
・・・と、なんやかんや、あれこれ書いてきましたが、結局私の言いたいことはただひとつ・・・
これからもハゲネタやらせてーーーーーー
関連項目
ショウガイをイジる
R-1ぐらんぷり 2018
ある芸人の生き様