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バリアアリー

 [バリアアリー] ―――

 今、流行っている言葉だそうです。
 [アクティブシニア](※1)と言われている人たちの間で使われていて、要は、[バリアフリー]とは反対に、あえて段差などの障害物を取り除かないで、身体の衰えを防ごうという意味のものですが、これねぇ・・・。 どうなんでしょうねぇ・・・。

 いや、もちろん言いたいことはわかります。バリアフリーになぞらえて、「いつまでも元気で暮らせるように、あえてバリアを作って衰えを防ぎましょうよ! だから“バリアア(有)リー”」ってことでしょ? でも、これ絶対、バリアフリーをイジってるでしょ!?(笑)
 言いたいことはわかります。ユーモアとしてこの言葉にしたのもわかります。わかりますけど、、うーん、、、ちょっとサブイなぁ。。
 これ、逆に見てみると、今までバリアフリーをやってきた人にしてみれば、「ムムムッ」って思ってしまうかもしれませんよね。私も、初めてこの言葉を聞いたときは、「ほほう。」とちょっと関心気味に思ったのですが、そののち、「ん?」とちょっと引っかかってしまいました。これって“裏の裏は表”の理論でしょ!?(笑)その理論で言えばバリアフリーの反対はバリアアリーではなく、“これまでに戻っただけ”だと思うのですが・・・。(笑)これはねぇ、、バリアフリーに一生懸命取り組んでいる人や、その恩恵を受けて生活している人たちにちょっと失礼な感じもしてしまいますね。

 もちろん、取り組みとしてはすごく良いことだし、これによって少しでも長く健康で快適な生活が送れる人が増えたらと思うと、とても大事なことだとは思います。ただネーミングがね。。安易というか、軽いというか、、(笑)なんとなく“狙った感”や“うまいこと言ってやった感”を覚えざるを得ません。なにより、ダジャレっていうのが一番の「ムムムッ」ですよね。(笑)
 そもそも、わざわざ仰々しくネーミングすることなんですかね。。普通に「今まで通り、いつまでも元気に生活していきましょう!」でいいじゃん。(これもダッサいなぁ。。笑)どうも私には“話題作り”に思えてなりません。(笑)

 なぜ私が引っかかっているのか、それは私が障害者だからだと思います。おそらく、この[バリアアリー]という言葉は高齢者に向けての言葉なんでしょうね。往々にしてバリアフリーというのは障害者、高齢者、一緒に考えられがちです。ですが、やはりそれは似て非なるもので、立場によってかなり捉え方が違ってきます。高齢者の場合、元々はバリアフリーというものを必要としていなく、身体の衰えによって徐々に必要性を感じてくるものです。だから、いい意味で“なるべくその世話にならないようにしよう”と考えるのかもしれません。そのための[バリアアリー]なんでしょうね。
 対して障害者は、もう最初からガッツリと必要とします。だから[バリアアリー]なんていう発想もないし、街に出ても、まだまだ不便なことが多いですからね。。特に車いすに乗っている人にとっては、“あえて段差を作る(残す)”なんて言われると「それ、本気で言ってるの?」と思ってしまいます。
 このように、カテゴリーとしては同じでも捉え方や役割は違ってきます。おそらく[バリアアリー]も、ある決まった範囲の人たちの中ではすごく重要な意味を持つ言葉だと思います。が、それによってバリアフリーの取り組みにも影響が出てしまっては本末転倒になってしまいます。
 [バリアアリー]という考え方自体はひとつの方法論なので、良いも悪いもないのですが、このネーミング・・・ もうちょっとセンスが欲しかったですね。。


 ってことで、[バリア見て見ぬフリー]ってどう?? (お前もイジってんじゃん。笑)


 ※1 アクティブシニア

 自分なりの価値観をもち、定年退職後にも、趣味やさまざまな活動に意欲的な、元気なシニア層。とくに、2007年(平成19)以降に定年を迎えた団塊の世代をさすことが多い。 (『日本大百科全書(ニッポニカ)』より抜粋)


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